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*2021年夏 自社調べ

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【コラム】 推し活の「纏い(まとい)」と「祀り(まつり)」を知る


2021年の流行語大賞にノミネートされた「推し活」。 (ユーキャン 新語・流行語大賞 第38回 2021年 ノミネート語 https://www.jiyu.co.jp/singo/index.php?eid=00038

弊社で若年女性を対象に2022年に実施した調査では、”推し”がいる割合は8割に及ぶことがわかっております。

一般的に「推し」とは、アイドルや芸能人、アニメのキャラクターなど「好きな人」のことを指し、グッズを購入したりコンサートに行ったりと、対象を応援する行為を「推し活」と呼びます。
活動はさまざまで、推しのライブやイベントに行く、グッズを購入するといった消費行動に留まらず、推しに思いをはせるといったことも含みます。

この推し活について、4名の女子高大生を対象にインタビューをしました。
そして、なかでもグッズに関して特徴的なエピソードが出ました。

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◆”ヒト”推しさん
①「HIPHOPパフォーマンスの男性グループ」を推すSさん(高校生)
 ●持ち歩き
   平日、休日どちらのバッグにもぬいぐるみなどのグッズをつけている。
   遊びに行くときは、アクリルスタンドやフォトカードも持ち歩く。
 ●ディスプレイ
   特に飾っていない。破られたり壊されたくないため。

②「男性俳優で構成されたダンス&ボーカルグループ」を推すMさん(高校生)
 ●持ち歩き
   推し友だちと会うときはアクスタや写真、ぬいぐるみを持っていく。ただし、カバンにつけるのはキーホルダー程度で、周りにオタクだとバレないようにする。
 ●ディスプレイ
   特に飾ってはいないが、推し不在の誕生会のときにはグッズを並べる。

◆”キャラ”推しさん
①「SNS連載の、1分アニメにもなっているキャラ」を推すRさん(大学生)
 ●持ち歩き
   平日は何かしらグッズを持ち歩き、休日は推しのぬいぐるみの印象にあったコーディネートにして、推しを全面に出す。
 ●ディスプレイ
   特に飾っていない。汚れてしまうのがイヤだから。

②「映画化もされた、全世界的なキャラのひとつ」を推すMさん(大学生)
 ●持ち歩き
   平日は特になし。休日に、キャラにあわせたコーディネートや、キャラをモチーフにしたバッグや衣服を身に着ける。
 ●ディスプレイ
   「推し棚」を作って飾っているほか、デスク周りやベッドまわりにも置いている。
   近々、推し不在の誕生会をやる予定である。
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このように、極めて限られたサンプルであることを承知のうえで、
・グッズについて、”持ち歩き”、”ディスプレイ”という代表的な行動がある
・”ヒト”を推すファンと”キャラ”を推すファンとで上記に違いがある
という可能性が窺えました。


そして、次なる調査課題として、以下を仮説といたしました。

・「持ち歩き」行動は、推しの対象に関わらず行われやすく、とくにキャラ推しさんが推し自体をファッションに取り入れやすいか。
・「ディスプレイ」行動は、破損/汚損しやすい素材のグッズは飾ることを避けられやすいものの、 常設展示型、企画展示型の2種が一定層で行われているか。


推し活において、自身の生活スタイルにあわせて、グッズを持ち物に着けたり、はたまたオリジナルシャツを着たり、バッグを背負ったり…といった行動にまで発展している姿がわかりました。
我々はこうした身に着ける行動を「推しを”まとう(纏う)”」と定義づけました。

また、推し棚を常に設けたり、推しのイベントにあわせて飾ったり、ディスプレイ方法こそ異なるかもしれませんが、さながら神を崇めるかのような行動として「推しを”まつる(祀る)”」としました。

この「纏い」と「祀り」について今後も注目し、次回の記事をご期待いただければ幸いです。

調査概要


調査対象者:社外モニター
調査方法 :インターネットリサーチ
調査時期 :2023年7月15日(土)~2023年7月19日(水)


調査対象者:社内モニター
調査方法 :オンライン・デプスインタビュー
調査時期 :2023年8月1日(火)~2023年9月5日(火)

執筆者

林 佑樹